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【ローンチイベント:Closing】「創る・使う・広げる」日本発Trusted AIを世界へ。CODASとEndeavorが描くグローバルエコシステム

3つのワーキンググループを軸に、秘匿AI技術の研究開発と社会実装を進める方針を示し、Endeavorとの連携を通じて、日本発のTrusted AIを世界へ広げる構想が語られました。

EVENT

AI領域において、セキュリティ市場(PETs:プライバシー強化技術)は今後年平均30%近く成長し、2035年には約10倍の市場規模になると予測されています。そんな中、日本発の「Trusted AI(信頼できるAI)」をどのように社会実装し、世界へ広げていくのでしょうか。

本記事では、ローンチイベントの締めくくりとなるクロージングセッションの模様をお届けします。CODASの具体的な活動内容である「3つのワーキンググループ」の全貌、そしてスペシャルゲストであるマニー・アヤラ氏が熱弁した「グローバル・エコシステム」の構想について、現場の熱気そのままにお伝えします。

① 登壇者

  • 長谷川 潤 氏(一般社団法人AIデータ主権共創機構 最高プロジェクト責任者)
  • 花岡 悟一郎 氏(一般社団法人AIデータ主権共創機構 代表理事)
  • 大塚 莉菜 氏(一般社団法人Endeavor Japan エグゼクティブディレクター / 司会)
  • マニー・アヤラ(Manny Ayala)氏(Endeavorグローバル エグゼクティブチーム / Endeavorフィリピン マネージングディレクター)

②セッションサマリー

本セッションでは、これまでのマクロな議論を踏まえ、CODASが具体的にどのような「アクション」を起こしていくのかが共有されました。 活動の軸となるのは「研究開発WG(創る)」「実装実証WG(使う)」「エコシステムWG(広げる)」の3つです。差分プライバシーや秘密計算といった技術の実装ロードマップが提示されたほか、世界最大の起業家支援ネットワーク「Endeavor」との強力な連携が発表されました。 Endeavorグローバルのマニー・アヤラ氏は、エコシステムを永続させる「乗数効果」について熱弁。グローバルな知見を日本に取り入れ、さらに日本の起業家が世界へ出ていくための架け橋となる構想が力強く語られ、イベントは盛況のうちに幕を閉じました。

③セッションの詳細

■ CODASを駆動する3つのワーキンググループ

再びステージに登壇した長谷川氏は、マクロな視点で語られたこれまでのセッション内容を踏まえ、CODASが実際に起こしていく「アクション」の全体像を次のように説明しました。

「すごくシンプルに言うと、『作る、使う、広げる』の3つです。1つ目は『研究開発WG』、2つ目は『実装実証WG』、そして最後に『エコシステムWG』。この3つが私たちのワーキンググループとしてCODASの中に存在しています。ここで生まれた成果というのは、エコシステムWGを通して世界中に配信されていきます」(長谷川氏)

この取り組みは単なる民間プロジェクトにとどまらず、国家規模のプロジェクトとして推進されていることが明かされました。

「直近ですね、先ほど経済産業省の渡辺さんからもレイヤーにおける日本国としての取り組みについて説明がありましたが、NEDOの委託事業の方が採択になりまして、CODASとして秘匿性における効果的な学習手法の開発、そしてそれを公開するということを今後進めていくことになります」(長谷川氏)

■ 「差分プライバシー」と「秘密計算」がもたらす未来

現在、AIの学習や利用においては、機密データが海外サーバーに流出したり、学習データから個人が特定されたりする脅威が常に存在します。長谷川氏は、これらの脅威に対抗するための具体的なアプローチを語りました。

「私たちが普段AIを使う、作るなどあらゆる段階において、実はすでにあらゆる脅威にさらされています。私たちが取り組む部分として、1つは『差分プライバシー』です。学習時にノイズを加えて個人データの逆推定を数学的に防止する技術です。そしてもう一つが代表理事の花岡も申し上げていた『秘密計算』ですね。複数の組織が協調計算を行うことで完全秘匿化を目指すものです」(長谷川氏)

「データは自社の管理下にとどまり、個人特定を数学的に不可能にし、規制に自動で準拠し、国内でデータの価値を循環させることができる。これができたら最高ですし、実際に日本の産業全体の底上げにつながると思っています」(長谷川氏)

■ Endeavor・マニー氏が語るエコシステム「3つのアイデア」

セッションの後半では、世界最大の起業家支援ネットワーク「Endeavor」から、グローバルエグゼクティブチームのマニー・アヤラ氏がスペシャルゲストとして登場。活発なエコシステムを形成するための「3つのアイデア」を会場に投げかけました。

「エンデバーについて考えるための非常に便利な方法は、3つのアイデアについて考えることです。最初のアイデアは、『別の場所(その他の場所)』という考え方です。世間は何十年もの間、画期的なイノベーション企業を成功させたいならシリコンバレーに拠点を置くべきだと言い続けてきた。最近では中国も含まれるようになりました。しかし、50の市場で30年間培ってきた経験から、それは必ずしも真実ではないことが分かっています。才能はどこにでも、野心もどこにでもあります。少し難しいのは、市場へのアクセスと資金、メンターへのアクセスです。そこでエンデバーの出番となるのです」(マニー氏)

「2つ目のアイデアは、『信頼に基づくグローバルネットワーク』です。このネットワークには3,000人の素晴らしい起業家、約5,000人のメンター、数十社のベンチャーキャピタル企業が参加しています。興味深いのは、これらのつながりが双方向であるということです。日本の起業家が海外で顧客や投資家を見つけるのを支援する一方で、日本に来た世界の起業家(Runwayのクリストバル氏など)を現地の信頼できる人々と繋げます。人々が互いに助け合おうと真剣に努力している姿がここにあります」(マニー氏)

「3つ目のポイントは、『乗数効果』です。私たちは起業家たちが事業を拡大し、大きな成功を収めることを期待しています。そして、成功した際には、その成功を次世代のために再投資してくださいと約束を交わしています。彼らがただ引退するのではなく、次世代に投資し、指導し、ネットワークを共有することによって、生態系全体を活性化させることができるのです」(マニー氏)

この話を受け、長谷川氏は「生の声」を聞く重要性を強調し、CODASコミュニティへの参加を呼びかけました。

「海外での起業も経験している中で、どうしてもカルチャーや言語のギャップがあるため、日本の皆さんが世界の最新動向についていけるかというと、まだそこには壁があると思っています。だからこそ、やっぱり『生の声』ですよね。今日登壇したクリストバルのように、実際に最前線で作っている人たちに直接聞ける機会を日本にどんどん作ることで、皆さんの視野が広がるはずです」(長谷川氏)

④ 質疑応答内容

セッションの最後には、メディア関係者を含む会場の参加者との白熱した質疑応答が行われました。

Q. N社 K.氏 「世界的に今、秘匿性の高い守りの部分が非常に求められているというお話がありました。Google DeepMindやOpenAIといった海外の大きいAI企業も力を入れて開発している最中だと思います。そういった海外勢の動きに対して、CODASはライバルとして『勝ちに行きたい』のか、それとも『共に仲間として歓迎し合う』という立ち位置なのかをお伺いしたいです」

A. 長谷川 氏 「私たちは非営利の組織として、オープンな環境を整えていきたいと考えています。私たちが営利法人だったら、もちろん『勝ちます』の一言で終わるんですけど、そうではなくて。日進月歩で変わっていくAIという特殊な産業において、多くの企業とコラボレーションしていくことの必要性、特にグローバルな視点が重要です。ただし、あくまでローカライゼーション、つまり現地(日本特有のビジネスや産業)に合ったものにするという部分は大切で、私たちがそこをきちんとブリッジしていければと思っています」

A. 花岡 氏 「いい意味で、海外と競い合ったり連携したりしています。私が非常に強調したいのは、我が国のそういった情報を隠したままで何か計算しようという『秘匿計算技術』において、日本も非常に優れた技術を持っているということです。決してどちらか一方に偏って優劣をつけるということは考えていません。いい意味でのガラパゴスじゃないですけど、日本の文化やビジネスの特性に合ったものをしっかりと作っていく。その一方で国際的に吸収すべきところはしっかり吸収していくという具合で考えております」

Q. N社 K.氏 「グローバルな起業家が集まるEndeavorとタッグを組む意義について、日本のデータ主権の考え方にどう影響するのか教えてください」

A. 長谷川 氏 「先ほども申し上げた通り、言語やカルチャーのギャップにより、日本の皆さんが世界の最新動向に追いつくにはまだ壁があると感じています。Endeavorと連携することで、世界の最前線で作っている人たちに直接話を聞ける機会を日本に作り、皆さんの視野を広げ、最新動向にアクセスしやすくすることが最大の目的です」

「CODAS Community」へのご参加・ご登録について

一般社団法人AIデータ主権共創機構(CODAS)では、「Privacy-First AI」基盤の構築と持続可能なAIエコシステムの発展に向け、研究者・エンジニア・法務・政策・ビジネス・市民など、立場を越えてオープンに集い、秘匿AIの未来を共に創る共創プラットフォーム「CODAS Community」のメンバーを募集しています。

■ 法人企業様のご参画

CODASの理念や取り組みにご賛同いただき、AIエコシステムの社会実装や標準づくり、共創プロジェクトを共に推進していただける法人企業様を募集しております。ご入会や連携に関するお問い合わせ・お申し込みは、下記フォームより承っております。

お問い合わせフォーム:https://codas-ai.org/contact

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■ 個人・一般の皆様のご参加

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CODASについて

一般社団法人AIデータ主権共創機構(CODAS)は、「安全・安心なAI社会」の実現を目指す非営利・中立の法人です。データプライバシー技術の研究開発と、そのオープンソース化による社会実装を推進しています。データを外部に出さずにAIを高度活用できる「Privacy-First AI」基盤を「創る・使う・広げる」ことを基本理念に掲げています。


≪本件に関するお問い合わせ先≫

一般社団法人AIデータ主権共創機構(CODAS)イベント事務局 E-mail:info@codas-ai.org