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ローンチイベント開催報告  ~米Runway CEO、経済産業省AI産業戦略室長も登壇し「日本発・秘匿AI」の勝ち筋を議論~

CODASはローンチイベントを開催し、多くの企業、研究者、行政関係者が参加する中、そのビジョンと今後の取り組みを発表しました。イベントでは、国内外の有識者によるセッションを通じて、データ主権とプライバシー保護AIの未来について議論が交わされました。

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『Privacy-First AIで世界に挑む CODAS ローンチイベント』開催レポート

2026年7月31日(金)、一般社団法人AIデータ主権共創機構(略称:CODAS、代表理事:花岡悟一郎)は、本格始動を記念したローンチイベントを、SHIBUYA QWS スクランブルホールにて開催いたしました。

テーマは「データを外部に出さずにAIを高度活用する」Privacy-First AIの社会実装です。当日は、Runway co-CEO 兼 co-founderのCristóbal Valenzuela氏、経済産業省 商務情報政策局 情報技術利用促進課長 兼 AI産業戦略室長の渡辺琢也氏をお迎えし、日米それぞれの視点からプライバシー保護AIの未来について議論を交わしました。

【当日の受付の様子】

【登壇者集合写真】 ※左から、岡田淳理事、Michael Kainzbauer理事、経済産業省 渡辺琢也氏、花岡悟一郎代表理事、最高プロジェクト責任者 長谷川潤、Endeavor Manny Ayala氏


1. 設立の背景

日本には、データを安全に活用できる国内基盤が十分に整っていません。その結果、海外のデジタル基盤への依存が進み、2024年のデジタル赤字は過去最大の6.85兆円(※1)となりました。

一方で、国内企業の約70.3%(※2)がセキュリティやデータ主権の喪失に不安を抱えています。重要なデータほど保護を優先せざるを得ず、AIの高度な利活用が社会全体に広がらない要因となっています。

この課題を一社ごとの「個別最適」で解決するのは容易ではありません。高度な技術開発にも、その後の継続的な運用にも、大きなコストがかかるためです。そこで、産官学が業界の枠を超えて一体となり、「Privacy-First AI」基盤の構築・運用・標準化を担う中核的な国際実行主体として、CODASが設立されました。

(※1)財務省「国際収支統計」、経済産業省試算 (※2)一般社団法人日本情報システムユーザー協会(JUAS)「企業IT動向調査 報告書 2025」


2. 主な活動

CODASが進める「Privacy-First AI」基盤の開発・実証計画は、経済産業省とNEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)が主導する「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業/データの秘匿性を考慮した効率的なAI学習手法の開発(以下、秘匿性AIプロジェクト)」の委託先として採択されました。

活動の軸は、3つのワーキンググループ(WG)です。

  • 創る(研究開発)
  • 使う(実装実証)
  • 広げる(エコシステム構築)

機密データを安全に保護しながら高度に活用できる「プライバシー保護AI技術」を開発し、その成果をオープンソース(OSS)として公開することで、社会実装を進めていきます。

▼秘匿性AIプロジェクトの事業概要・採択情報はこちら https://www.nedo.go.jp/koubo/CD3_100405.html


3. イベント当日の内容

(1) 「AIデータ漏洩」に挑む。CODAS設立への想い

代表理事の花岡悟一郎は、携帯電話やインターネットの黎明期を引き合いに、AIもまた「安全性への不安」が普及のブレーキになっている現状を提示しました。

「新たな技術の普及には『安心・安全』が不可欠。データ主権を守りながら組織間が安全に共創できる共通インフラを築き、誰もが安心してAIを活用できる社会を実現していく」

【代表理事 花岡悟一郎によるオープニング挨拶】

続いて、理事のMichael Kainzbauerが登壇挨拶を行い、事務局長の岡田隆太朗からはビデオメッセージが寄せられました。

【理事 Michael Kainzbauerによる登壇挨拶】

【事務局長 岡田隆太朗によるビデオメッセージ】

最高プロジェクト責任者の長谷川潤は、AIの価値の所在についてこう語りました。

「AIモデルはコモディティ化し、本質的な価値は各社が持つデータにあるが、一度流出したデータは決して戻らない」

「秘匿化技術によって利用時のハードルを下げ、誰もが安心してAIを活用できる環境を整えることで、日本発の信頼基準を世界へ示していきたい」

【最高プロジェクト責任者 長谷川潤による挨拶】


(2) 対談:日本のAI・デジタル政策の展望とCODASへの期待

続く対談では、経済産業省 商務情報政策局 情報技術利用促進課長 兼 AI産業戦略室長の渡辺琢也氏と、長谷川潤が登壇。

渡辺氏からは、AIを国の基幹インフラと位置づけ、半導体・基盤モデルからフィジカルAIまで一貫して支援する政府方針が共有されました。今後の鍵となるのは「現場データや暗黙知」の活用であり、その担い手を育てるため、国家試験に「データマネジメント」が新設されたことも紹介されました。

さらに議論は構造的な課題へと進みます。AIの性能を上げるにはデータを集約したい。しかしデータは各企業の競争力の源泉であり、主権も機密性も守らなければならない。この両立をどう実現するかが焦点となりました。

渡辺氏:

「日本の強みはAIの社会実装と現場データにある。共通インフラは共有しつつ、各社が自社のコア価値に集中すべきだ。その境界を安全につなぐCODASの秘匿化技術が、社会の生産性を高める基盤となることを期待している」

長谷川:

「政府の基盤整備と深く協調し、国内の豊富な産業データを安全に活用できる環境づくりを迅速に進めていく」

【渡辺琢也氏と長谷川潤による対談の様子】


(3) 対談:グローバルAI動向と日本発・秘匿AIの可能性

続く対談では、Runway Co-founder 兼 CEOのCristóbal Valenzuela氏と長谷川潤が登壇。

データ主権や著作権保護をめぐる世界の潮流、そしてAI企業が担うべき安全性の確立について議論が交わされました。あわせて、グローバルAIの最前線に立つ起業家から見た日本市場のポテンシャル、CODASとRunwayが国境を越えて連携する意義についても語られました。

Valenzuela氏:

「日本はコンテンツやものづくりで世界を牽引するポテンシャルがある。企業専用のモデル開発やデータ所有権の保護で信頼性を担保しながら、計算資源を確保し、リスクを恐れずAI実装へ踏み出すことが重要だ」

長谷川:

「指摘の通り、日本には計算資源やリスクを取る姿勢がまだ不足している。しかし、世界屈指のコンテンツや技術があるからこそ、信頼性の高いAI基盤と融合させることで、グローバルで勝てるエコシステムを構築したい」

【Cristóbal Valenzuela氏と長谷川潤による国際対談の様子】


(4) 3つのWG進捗と「CODAS Community」始動

イベント後半では、「研究開発」「実装実証」「エコシステム構築」の3つのWGについて、それぞれの活動進捗が報告されました。

さらに、持続可能なAIエコシステムの発展に向けたオープンな基盤づくりの第一歩として、公式Discordおよびメールマガジンを通じた共創コミュニティ「CODAS Community」の開設と、メンバー募集の開始を発表。

長谷川:

「研究開発・実装実証・エコシステムの3つのWGを通じ、差分プライバシーや秘密計算といった先端秘匿化技術の成果をOSS化していく。Endeavor Japanをはじめとするグローバルパートナーや共創コミュニティとともに、企業や開発者の垣根を超えてオープンに知見を共有し、安心・安全なAI社会の実現に向けた取り組みを加速させていきたい」

【3つのWG活動進捗説明の様子】

その後のQ&A・記者質問セッションには、理事の岡田淳、Michael Kainzbauerも加わり、花岡・長谷川とあわせた4名で登壇。コミュニティの運営方針や技術実装のステップについて回答しました。

プログラム終了後のネットワーキングでは、秘匿AIの社会実装や共同実証をめぐって参加者同士の活発な意見交換が続き、盛況のうちに閉幕しました。

【ネットワーキングの様子】


「CODAS Community」へのご参加・ご登録について

一般社団法人AIデータ主権共創機構(CODAS)では、「Privacy-First AI」基盤の構築と持続可能なAIエコシステムの発展に向け、研究者・エンジニア・法務・政策・ビジネス・市民など、立場を越えてオープンに集い、秘匿AIの未来を共に創る共創プラットフォーム「CODAS Community」のメンバーを募集しています。

■ 法人企業様のご参画

CODASの理念や取り組みにご賛同いただき、AIエコシステムの社会実装や標準づくり、共創プロジェクトを共に推進していただける法人企業様を募集しております。ご入会や連携に関するお問い合わせ・お申し込みは、下記フォームより承っております。

お問い合わせフォーム:https://codas-ai.org/contact

※件名に「会員の申込」とご明記のうえ、貴社の簡単なご紹介(事業内容等)を添えてご連絡ください。確認後、担当者よりご案内いたします。

■ 個人・一般の皆様のご参加

公式Discordおよびメールマガジンでは、勉強会・ワークショップ・ミートアップ等のイベントへの優先アクセスや、秘匿性技術・ルール標準化に関する最新の知見をお届けします。東京のリアル拠点での交流も含め、立場を問わずどなたでもご参加いただけます。


開催概要

項目 内容
名称 Privacy-First AIで世界に挑む CODAS ローンチイベント
日時 2026年7月31日(金)17:30〜20:00
会場 SHIBUYA QWS スクランブルホール(東京都渋谷区渋谷2丁目24-12 渋谷スクランブルスクエア15F)
形式 ハイブリッド開催(オフライン/オンライン)
参加費 無料
通訳 AIによる日英同時通訳
主催 一般社団法人AIデータ主権共創機構(CODAS)

登壇者

  • 渡辺 琢也 氏(経済産業省 商務情報政策局 情報技術利用促進課長 兼 AI産業戦略室長)
  • Cristóbal Valenzuela 氏(Runway co-CEO 兼 co-founder)
  • 花岡 悟一郎(一般社団法人AIデータ主権共創機構 代表理事)
  • Michael Kainzbauer(一般社団法人AIデータ主権共創機構 理事)
  • 岡田 淳(一般社団法人AIデータ主権共創機構 理事)
  • 長谷川 潤(一般社団法人AIデータ主権共創機構 最高プロジェクト責任者)

CODASについて

一般社団法人AIデータ主権共創機構(CODAS)は、「安全・安心なAI社会」の実現を目指す非営利・中立の法人です。データプライバシー技術の研究開発と、そのオープンソース化による社会実装を推進しています。データを外部に出さずにAIを高度活用できる「Privacy-First AI」基盤を「創る・使う・広げる」ことを基本理念に掲げています。


≪本件に関するお問い合わせ先≫

一般社団法人AIデータ主権共創機構(CODAS)イベント事務局 E-mail:info@codas-ai.org