一般社団法人 AIデータ主権共創機構を設立しました ― 私たちがCODASをつくった理由
AIの恩恵とプライバシーは、本来トレードオフではありません。データ主権を護りながらAIを協創するために、私たちはCODASを設立しました。その背景と思いをお伝えします。
このたび、一般社団法人 AIデータ主権共創機構(CODAS) を設立しました。 本記事では、私たちがなぜこの団体をつくったのか、その背景にある問題意識を お伝えします。
AIの時代に生まれた「非対称」
生成AIの急速な普及は、社会に大きな価値をもたらしています。一方で、その性能は 学習に用いる膨大なデータに支えられており、結果としてデータを大量に保有する 一部の事業者へ価値と権力が集中する構造が生まれつつあります。
データを生み出しているのは、私たち一人ひとり、そしてそれぞれの組織です。 しかし現状では、そのデータから生まれる便益の多くが本人の手の届かないところで 循環してしまう。この非対称性こそが、私たちの出発点です。
プライバシーとAIは、トレードオフではない
「便利なAIを使うなら、プライバシーはある程度諦めるしかない」―― そうした諦めが、いつの間にか前提になってはいないでしょうか。
私たちはそうは考えません。秘密計算(MPC)、準同型暗号(HE)、差分プライバシー (DP)、信頼実行環境(TEE)といった技術は、すでに「データを渡さずに価値だけを協創する」ことを可能にしつつあります。問題は、これらを誰もが使える共通基盤として社会に実装しきれていないことです。
だから、中立な非営利の場が要る
この課題は、一企業の製品でも、一国の制度だけでも解けません。研究者・エンジニア・ 法務・政策・市民――立場を越えた人々が、特定の利害から独立した中立な場で協創する 必要があります。CODASは、その器として設立されました。
私たちは三つの層で活動します。
- 研究開発 ― 秘匿性を担保したAI基盤技術の研究とオープンソース化
- 実装・実証 ― 実社会のユースケースでのPoCと標準リファレンス実装
- エコシステム ― ガイドライン策定、人材育成、資格・教育の整備
これから
「主権を手放さずに、AIの恩恵を分かち合う」。この思想を、日本から世界へ広げて いきます。研究連携、パートナーシップ、ご参画に関心をお持ちの方は、ぜひ お問い合わせ よりご連絡ください。