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拡散モデル

きれいな画像に少しずつノイズを足して壊し、その逆再生を学ぶことで、純粋なノイズから新しい画像を生み出す。

How it works

拡散モデルの仕組み

loop

ステップ 1 / 6

元画像

学習データの本物の画像。ここが「たどり着きたいゴール」であり、モデルが最終的に近づけたい分布そのもの。

逆過程は一発ではなく反復ループ。ノイズ→少しきれい→もっときれい…を数十〜数千ステップ繰り返して画像を彫り出す。ステップ数を減らす蒸留・少数ステップサンプラが速度の主戦場。

詳しい解説

順過程と逆過程 ― なぜ「壊し方」から「作り方」が学べるのか

順過程(forward)は、画像に既知のガウスノイズを段階的に足していく固定の手続きで、学習は要らない。核心は、この各ステップが微小なら逆向きのステップも同じくガウス分布で近似でき、その平均をニューラルネットに予測させられる、という点にある。つまり「少し壊す」操作の逆をたくさん学べば、純粋なノイズから出発してデータ分布へと引き戻す道筋が得られる。デノイザは実質的にスコア(対数尤度の勾配)を推定しており、ノイズの多い場所から「もっともらしい画像」の方向を各点で指し示している。

潜在拡散 ― ピクセルではなく圧縮空間で拡散する

画素空間で高解像度の拡散を回すのは計算量が膨大になる。Stable Diffusion で有名になった潜在拡散(latent diffusion)は、まずオートエンコーダで画像を小さな潜在表現に圧縮し、その潜在空間で拡散・デノイズを行い、最後にデコーダで画像へ戻す。知覚的にほぼ同じ情報を保ったまま次元を大きく落とせるため、同じ計算で高解像度・高速な生成が可能になった。テキスト条件はこの潜在空間で、テキスト埋め込みとのクロスアテンションを通じて注入される。

分類器フリー・ガイダンス ― プロンプトへの忠実さを一本のダイヤルで調整

テキストに従わせたいとき、別の分類器を用意する代わりに、モデルを「条件あり」と「条件なし(空プロンプト)」の両方で走らせ、その差を強調する手法が分類器フリー・ガイダンス(CFG)。ガイダンス強度を上げるほどプロンプトに忠実になるが、上げすぎると多様性が失われ、彩度が飛んだり不自然になったりする。この一本のダイヤルが「言われた通り度」と「自然さ・多様性」のトレードオフを握っており、実務では最も触られるノブの一つ。

U-Net から DiT へ、そしてフローマッチングへ

初期の拡散モデルは畳み込みの U-Net をデノイザに使っていたが、近年は Transformer を骨格にした拡散トランスフォーマ(DiT)へ主役が移った。DiT は自己注意で画像全体の大域文脈を扱え、データと計算を増やすほど素直に伸びるスケーリング特性を持つ。SD3・Flux・Sora といった最新の画像/動画モデルは、DiT を「フローマッチング(整流フロー)」という直線的な軌道の学習目標と組み合わせるのが定石になり、少ないステップで高品質を出せるようになっている。

主要な考え方・要点

順過程 / 逆過程

順過程はノイズを足す固定手続き(学習不要)、逆過程は学習したデノイザでノイズを取り除く生成手続き。生成は逆過程だけを使う。

ノイズスケジュール

各ステップでどれだけノイズを足すかの計画表。ステップ数と一緒に品質・速度を左右し、少数ステップ生成の設計もここが要。

U-Net / DiT

ノイズを予測するバックボーン。畳み込みの U-Net が古典、Transformer 骨格の DiT が近年の主流でスケールしやすい。

ガイダンス強度

分類器フリー・ガイダンスの強さ。高いほどプロンプト忠実だが、上げすぎると多様性が減り不自然になる。

潜在拡散

画素ではなくオートエンコーダの潜在空間で拡散する設計。次元を落として高解像度・高速化を実現し、条件付けもここで行う。

最新の動向

1

画像・動画生成の最先端は U-Net から拡散トランスフォーマ(DiT)へ移行し、SD3・Flux・Sora が共通して DiT + 整流フローを採用している(ICLR 2026 blog「From U-Nets to DiTs」)。

2

フローマッチング/整流フローが拡散の学習目標として定着し、より直線的な軌道で少ステップ生成を可能にしている(Stability AI, Stable Diffusion 3 技術報告)。

3

テキストから動画への拡散(Sora など)が実用段階に入り、動画を時空トークン列として DiT でデノイズする方式が主流化した。

4

蒸留・一貫性モデル・少数ステップサンプラにより、数十ステップから数ステップへの高速化が進み、リアルタイム生成が現実味を帯びている。

データ・ベンチマーク

CIFAR-10 の生成品質(FID)

当時最良水準の FID を達成(小さいほど良い)

DDPM 論文が CIFAR-10 で当時最良水準の Inception/FID スコアを報告(Ho, Jain & Abbeel, 2020, arXiv:2006.11239)。具体値は原論文表を参照。

潜在拡散による計算削減

画素空間比で学習・推論コストを大幅削減

潜在拡散は画像を圧縮潜在空間で扱うことで、画素空間の拡散に比べ計算量を大きく下げつつ高解像度合成を可能にした(Rombach et al., 2022, arXiv:2112.10752)。

アーキテクチャの潮流(定性)

最新の画像/動画生成器は DiT + 整流フローに収束

SD3・Flux・Sora は同じ DiT 骨格と整流フロー学習を共有する(ICLR Blogposts 2026「From U-Nets to DiTs」)。

※数値は各出典に基づく参考値です。前提により変わります。最新情報は一次情報をご確認ください。

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