「使える」を、現場からつくる
CODAS 実装実証ワーキンググループ PMOリーダー 志多伯 純
初回のブログでは、CODASが目指す世界を「データは動かさない。モデルが動く。」という言葉で紹介しました。
「使えない」と「使わない」は、違う -CODAS 最高プロジェクト責任者 長谷川 潤-
機微なデータを守りながらAIを活用し、これまで「データを外に出せない」という理由でAIを使えなかった領域にも、AI活用の可能性を広げていく。
CODASでは、そのための技術を「創る」、実際のユースケースで「使う」、そして社会に「広げる」という活動を進めています。今回お話しするのは、その中の「使う」です。
技術ができただけでは、社会実装とは言えない
どれだけ優れた技術を研究・開発しても、それだけで社会が変わるわけではありません。実際の仕事の中で使われ、課題を解決し、新しい価値につながって初めて、その技術は社会で意味を持ちます。
「どこで、何のために使うのか」
「本当に現場で使えるものにできるのか」
それを考え、実際に確かめていくのが、実装実証ワーキンググループ(実装実証WG)です。私たちはまず、金融分野から取り組みを進めています。
「何ができるか」ではなく、「何をしたいか」から考える
金融分野では、顧客情報や取引情報をはじめ、慎重な取り扱いが求められるデータが数多く存在します。AIに関心がないから使わないのではなく、大切なデータを預かり、その責任を知っているからこそ簡単には使えない。
「使えない」と「使わない」は、違う。
実装実証WGが取り組みたいのは、その「使えない」の先です。 例えば、
「AIを活用したいが、機微なデータを扱うため一歩を踏み出せない」
「他社のデータや知見も安全に活用できれば、もっと価値を生み出せるかもしれない」
こうした「できたらいい。でも、今の仕組みでは難しい」という課題の中に、CODASだからこそ取り組む価値のあるユースケースがあると考えています。
CODASが目指すのは、単に一社のデータを守ることだけではありません。プライバシー保護や秘匿化の技術を活用し、それぞれがデータの主権を守りながら、企業や組織を越えてデータの価値を掛け合わせ、一社だけでは生み出せなかった価値をつくることも目指しています。
ユースケースを「たたき台」に、現場と考える
実装実証WGでは現在、金融分野のさまざまな業務を俯瞰しながら、ユースケース候補の洗い出しと整理を進めています。
検討では、AIが使えそうかだけでなく、データの取り扱いが壁になっているか、CODASのプライバシー保護技術を活用する意味があるか、企業間のデータ活用で新しい価値が生まれるか、事業上の価値があるか、現実的に実装・検証できるか、といった視点を重視しています。
ただし、私たちだけで答えを決めるつもりはありません。本当に解決すべき課題は、金融の現場にあるからです。
「実際には別の業務の方が課題になっている」
「このデータを実証環境に準備するのは難しい」
「一社より複数社で取り組む方が価値がある」
こうしたことは、金融の業務、ビジネス、システムを知る方々と議論して初めて見えてきます。現在のユースケース候補は完成した答えではなく、皆さんとの議論を始めるための「たたき台」です。
一社ではできない。だから、一緒につくる。
現場で本当に使えるAIを実現するには、金融の業務を知る人、ビジネスやユースケースを考える人、システムとして形にする人、データを守る技術を研究する人、それぞれの知見が必要です。
実装実証WGでは、金融関連企業、実装支援企業、CODAS・研究機関が強みを持ち寄り、一緒にユースケースをつくっていきます。
- 金融関連企業:実際の業務やデータ、現場だからこそ分かる課題をもとに、「本当は何を実現したいのか」「何が壁になっているのか」を共有いただきます。
- 実装支援企業:金融関連企業とともにユースケースを具体化し、PoC・実装実証までを推進する企業です。コンサルティングやシステムインテグレーションなどの専門性を活かし、課題整理、事業価値の検討、要件整理、PoC・実装実証を進めます。
- CODAS・研究機関:プライバシー保護や秘匿化に関する研究成果を活用し、「大切なデータを守りながら、どう実現するのか」という技術的な課題に取り組みます。
金融の現場 × ビジネス・実装の知見 × プライバシー保護AI技術
この3者の知見を組み合わせ、一社だけでは実現できなかったユースケースを形にしていく。それが、実装実証WGの目指す進め方です。
完成したユースケースは必要ありません
最初から完成した企画が必要なわけではありません。「こんなことができたら」という段階から、一緒に考えたいと思っています。
課題やアイデアを持ち寄り、ユースケースとして整理し、事業価値や必要なデータ、プライバシー保護の要件、実現方法を具体化する。そしてPoCを行い、「本当に使えるのか」を確かめる。このプロセスを参加する皆さんと一緒に進めていきます。
まずは一つの企業の課題から始め、個社で検証する。価値や可能性が確認できれば企業間、業界内へ、そして将来は業界を越えたデータ活用へ。段階的に発展させていくことを考えています。
「使える」を、一緒につくりませんか
AIやデータをもっと活用したい。しかし、データの取り扱いが壁になっている金融関連企業の皆さま。
「これは自社でも課題になっている」
「データの問題で、AI活用を進められていない」
そんな課題があれば、ぜひお聞かせください。
金融の課題からユースケースを具体化し、実際に動く仕組みへ変え、実装実証まで一緒に推進いただける実装支援企業の皆さま。
「こんなユースケースも考えられるのではないか」
「このテーマなら、こんな形で実装できるかもしれない」
そんな提案も歓迎します。
「使えない」を、「使える」へ
そして、その「使える」を金融の現場からつくっていく。その一歩を、皆さんと一緒に進めていきたいと思っています。
CODAS 実装実証ワーキンググループ PMOリーダー 志多伯 純
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一般社団法人AIデータ主権共創機構(CODAS)は、「安全・安心なAI社会」の実現を目指す非営利・中立の法人です。データプライバシー技術の研究開発と、そのオープンソース化による社会実装を推進しています。データを外部に出さずにAIを高度活用できる「Privacy-First AI」基盤を「創る・使う・広げる」ことを基本理念に掲げています。
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一般社団法人AIデータ主権共創機構(CODAS)イベント事務局 E-mail:info@codas-ai.org